■必要なレベル

前回はオートキャド(AutoCAD)操作のレベルについてお話ししました。

今現在、自分はどのレベルなのか、この機会に再確認してみてはいかがでしょうか。自分の実力がどの程度なのかを客観的に判断するのは、スキルアップの為に必要なことですよ。

もしあなたが在宅勤務、つまり会社に通わないで仕事をしたいと考えているのであれば、少なくともレベル2以上である必要があると思います。

これは少なくとも、ですよ。レベル1ではきっと相手にされないでしょうから。

外注に作図を依頼する側からすれば、相手はオートキャド(AutoCAD)を使えるのか?ということはあまり考えません。プロなのでオートキャド(AutoCAD)を使えるのは当然と考えるからです。

相手に要求したいのはその先の話です。きちんと納期に間に合わせるかとか、説明したことをきちんと守って作図をしているかとか、そういったプラスアルファの部分を求めるんです。

ただし、当然のようにオートキャド(AutoCAD)を使いこなす為には、誰であろうと例外なく初心者の時期を通過する必要があります。当然の話です。

どんな人でも、歩けるようになる前に走ることは出来ませんから…。
そんな訳で、このサイトでは初心者が効率よく中級者になる為の方法を説明していきます。

もちろんその為の方法は決してひとつではありませんが、私自身が良いと思っている方法だけをここではお話ししていきたいと思っています。

■一番大事なスキル

私が一番身につけて欲しいと考えているスキルは、ズバリ表現すると作図スピードです。これは非常に重要で、なおかつ一番身に付きにくいスキルです。

そして、仕事の効率とお金に直接影響してくるスキルでもあります。でも、あまりガイドブックには書かれにくい部分です。何故だかわかりますか?

こんなコマンドがあるとか、機能については使ったことがなくても調べれば解説だけは出来ます。でも作業上のちょっとしたコツなどは、実務経験が豊富でなければ絶対に解説することなんて出来ません。

一般的なことを全て網羅しなければならないガイドブックでは、作図スピードをアップさせる方法などは恐らく書くことが出来ないのでしょう。本当は、一番大事な部分なんですけどね。

■スピードが大事な訳

何故作図スピードが大事なのか。わざわざ言わなくともわかるとは思いますが、あえてここでお話ししますね。

在宅で仕事を受注している方は、例外なく枚数か時間での請求をするはずです。それ以外の要因では、離れた場所で働いている人間の働きをチェックできませんからね。

つまり、図面1枚につきいくらか、あるいは図面1枚で何時間分か。どちらも同じことです。図面1枚の単価がそこで決定される訳です。

図面1枚の単価が決まっているということは、1枚にかかる時間が少ない程時給が高いと言うことができます。
さらに言えば、作図スピードが早ければ仕事量を増やすことが出来る為、全体の収入も高くなります。

時間給の場合は、決められた時間より早く作業を完了させることにより、結果として時給が上がることになります。8時間予定の図面を6時間で終わらせれば、2時間分は上乗せという形になりますから。

作図が速いというのは、本当にメリットずくめなのです。

■会社に勤めていても

在宅勤務ではなく、実際にどこかの会社に所属している場合も同じです。在宅でも会社でも、もちろん作業は早いほうがいいに決まってます。

無駄な残業が減る(収入減の可能性もありますが…)こと、出来る仕事のボリュームが増加することなど、メリットは非常に多いんですね。

それに、もっと早く作業が出来るところを80%の力で作業することも出来ます。作図スピードをアップさせる事によって受けられるメリットの中で、私はこれが一番大きいと思っています。

仕事をしている方なら分かると思いますが、常に100%の力を出し続けることは難しいですよね。人間の集中力には時間による限界がありますから。気合だとか栄養ドリンクだとかでは補充出来ないものです。

時速100キロで並んで走っている2台の車でも、最大200キロ出せる車と120キロしか出せない車とでは全然違います。余裕があるかないか。この違いは非常に大きいです。

そして、いざという時には時速200キロで走ることが出来る。そんな余裕を持っている方が有利に決まっています。

という訳で、今これを読んでいる皆さんには、ぜひともスピードというスキルを身につけて欲しいです。そこには、きっと楽しい世界が待っているハズですから…。