前回から、オートキャド(AutoCAD)を使って実際に通り芯を描く手順についてお話をしています。

その際に出てきた疑問のひとつとして、まずは直交モードの存在をお話ししましたので、今回は線の種類についてですね。

■疑問点3.線が実線しかない

水平と垂直に線を引いたものの、練習用の図面みたいな線が出て来ないと思った方は多いのではないでしょうか。

オートキャド(AutoCAD)を起動して、本当に0から作図するのが面倒というのは、このあたりの手間なんですよね。

とは言え、頭を抱えてしまうほど面倒な作業ではありませんから、この際線種のロード方法をばっちり覚えてしまいましょう。

プルダウンメニュー内の「形式」にある「線種設定(N)」をクリックすると、線種管理のダイアログボックスが出てきます。その中央には現在ロードされている線種が、一覧で表示されています。

一覧とは言っても、今のところはContinuous・ByLayer・ByBlockの3つしか表示されていないハズです。

Continuousは実線を意味していますが、その他のByLayer・ByBlockは線の種類ではありません。

つまり、現在は実線しか使えない状態、ということになります。

ちなみにByLayerとByBlockについてはもう少し後できちんと説明をするつもりですが、今回はスルーしておきましょう。

線種管理ダイアログボックスの右上にある「ロード」ボタンを押すと、線種のロードまたは再ロードというダイアログボックスがさらに出てきます。線種のロードはここで行うことになります。

このダイアログボックスは割とシンプルで、上部に「ファイル」という項目があり、それから下は線種がズラッと並んでいる構成になっています。

線種のロードは、線種の中から使いたい線種を選んで「OK」を押すだけで完了します。簡単ですね。

■オススメの線種とダメな線種

色々線種がありすぎて迷う!という方の為に、ここでオススメの線種を紹介しましょう。この線種さえ押さえておけば、作図で困ることはほとんどないはずです。

実線:Continuous (これは最初からあります)
破線:Dashed (ややピッチが粗い)
点線:Hidden (ピッチが細かい)
一点鎖線:Center
二点鎖線:Phantom

どんな線種を使用するのかは特に決まりがある訳ではありませんので、今言った線種にこだわる必要はもちろんありません。

線の種類がなにかを気にするよりも、図面が出来上がった中で線の区別がはっきりと出来るか、を気にするべきです。印刷した図面には線種の番号なんて関係ありませんから。

ただし、数ある線種の中で、点線の点が本当に点になっている(←ヘンな文章ですね)ヤツがありますから、それらは「使わない線種リスト」として頭の中に入れておきましょう。

なぜダメなのかというと、印刷するときに本当に点しか印刷してくれないので、全く見えないからです。そんな線が何で存在するのかは理解出来ませんが、実際にあるので避けておきましょう。

実際に作図をする際も、見えにくいしオブジェクトスナップがとりにくいので(←このあたりの話もいずれします)、いいことはひとつもありません。

具体的な線種名は以下の通りです。

点線:Dot (見えません)
一点鎖線:Dashdot (見えません)
二点差線:Divide (見えません←しつこい)

オートキャド(AutoCAD)で線種をロードする手順については、これでもう大丈夫です。

でも、ロード出来ただけでは完璧ではありません。ここでまた疑問が出てくるはずです。それらをまたひとつずつ解決していきたいと思いますが、ちょっと長くなりそうなので次回以降にお話ししましょう。

考えられる疑問はこんな感じでしょうか。他にもあったら教えてくださいね。

・線種の変更方法がわからない
→解決方法は【プロパティ管理に慣れよう】へ
・線種を変えても変化がない
→解決方法は【線種尺度のお約束】へ