直前選択の次はオートキャド(AutoCAD)のオブジェクト選択方法のひとつである「全てを選択」についてお話しします。

それほどよく使う機能ではありませんが、ないと困ってしまうというちょっと微妙な種類ですね。
これは読んだ通り、現在ある全てのオブジェクトを選択するという機能です。

直前選択と同じく「こんな機能必要?」と思う方がいるかも知れませんが、以下のような状況で使う事になるんです。

・全体を移動する時
・見えないデータを消去したい時(後で詳しくお話しします)
…あまりありませんね。直前選択とは使用頻度が違うので、比べる必要なんてありませんけど。

■選択の方法

全てを選択したい場合は以下のような手順で行います。

コマンドラインに「オブジェクトを選択:」という表示がされた際に「ALL」+Enter(又は右クリック)を押します。

これですべてのオブジェクトが選択されます。とても簡単です。

ただしモデル空間で選択した場合、ペーパー空間にあるオブジェクトは選択されません。逆に、ペーパー空間で選択した場合はモデル空間のオブジェクトが選択されません。

あくまでも、現在のいる場所に書かれているオブジェクトを全て選択する、ということです。
モデル空間・ペーパー空間についてはもう少し後で説明をするつもりですので、ここでは詳しい話はしないでおきます。

全てを選択すると、また「オブジェクトを選択:」の表示に戻ります。

「全てを選択したのだから、これ以上何も選択できないのでは…」と思う方もいるでしょう。確かにその通りです。

でも、選択を解除という機能を使うことが意外とあります。その為にも、やはり「オブジェクトを選択:」の表示が必要なんですね。

これは実際の作業の中で使ってみると分かりますよ。

このオブジェクト選択は「オブジェクトを選択:」表示がされている状態でEnter又は右クリックをするまで続きます。