前回は選択を間違えた場合によく使う機能として、選択の解除についてお話ししました。

選択しすぎてしまったオブジェクトを、もう一度選択していない状態に戻す。操作の種類的にも便利でしたが、それ以上に「Shift」キーを押しながらでOKという手軽さが一番のポイントでした。

使える機能というのは、やはり手軽であることが多いです。簡単に出来て、しかも便利というパターンがベストですね。選択の解除の操作はまさにそれでした。

今回は同じような機能として、選択したオブジェクトを元に戻す機能についてお話しします。
元に戻すという機能は、オートキャド(AutoCAD)だけではなくCAD全般で使用する機能です。

コマンドを元に戻すのではなく、オブジェクトの選択を元に戻すという点が少し違いますが、基本的な機能ですからしっかりと押さえておきましょう。

■選択を元に戻す方法

選択を元に戻したい場合は、以下のような手順で行います。

元に戻すタイミングは、いくつかのオブジェクト選択が終わり、さらにコマンドラインに「オブジェクトを選択:」という表示がされた時です。

「オブジェクトを選択:」とある状態で「U」+Enter(又は右クリック)を押すと、もう一度以下の表示が出ます。

オブジェクトを選択:

特に何の表示もありませんが、この時点でひとつ前に選択したオブジェクトは選択解除されています。有無を言わせず、という感じですね。

ちなみに元に戻る基準は以下のような考え方です。

・直接ピックしてひとつのオブジェクトを選択していた場合は、そのひとつのオブジェクトが選択から解除される
・窓選択や交差選択を利用して複数のオブジェクトを選択していた場合は、窓選択や交差選択された複数(ひとつの場合もありますが)のオブジェクトが選択から解除される

そうするとまた「オブジェクトを選択:」の表示に戻ります。ここからさらにオブジェクトの選択をしたり、さらに元に戻したりの操作が出来ます。

「元に戻す」では、コマンドが始まってから最初に選択したオブジェクトを選択解除してしまうまで、「U」+Enterを押すことによって戻し続けることが出来ます。

ただ、そこまで戻してしまうのなら「ESC」キーを押して、コマンドを途中で中止してしまった方が早いですが…。