今回は一括選択についてお話しします。

一括選択というと何となく便利そうな感じがしますが、別に一括で自動的に選択をしてくれる訳ではないんです。この機能は、一括という言葉のイメージとは結構離れた特徴をもっています。

一括選択の最大の特徴は、選択したオブジェクトがハイライト表示されない為に処理速度が速いという点です。

ハイライト表示とは、オブジェクトを選択した時に、そのオブジェクトが点線みたいな表示に変わることです。点線表示されたオブジェクトを見て、作図者は選択されているかどうかを判断します。

そのハイライト表示がされないと、どのオブジェクトを選択しているのかが分からないので、実際の作業はやりにくいです。

つまり一括選択は、多少やりにくくなったとしても処理速度は速い方が良い、という考え方なんですね。説明書には「やりにくくなる」とは書いてありませんけど。

ただ、最近のパソコンはスペックが高いので、基本的に処理速度は非常に速いです。処理速度を少しでも向上させようという一括選択の趣旨は、最近のパソコンでは少し古いのかも知れません。

結論としては、あまりにも遅すぎる場合を除き、一括選択はお勧めできないということになってしまいます。

■選択の方法

とは言え、どこかで使わざるを得ない状況があるかも知れませんので、手順はしっかりと説明しますね。

コマンドラインに「オブジェクトを選択:」という表示がされた際に「M」+Enter(又は右クリック)を押します。

これで一括選択の準備は完了です。試しに何かオブジェクトを選択してみても、選択できたのかどうかが少し分かりにくいと思います。

これが一括選択の特徴ですから、一度味わってみることをお勧めします。ハイライト表示の有り難さが分かるはずです。

一括選択をしている際は、ずっと「オブジェクトを選択:」の表示になっていて、ハイライト表示のないまま同じ状態が続きます。

これはEnter又は右クリックをするまでずっと続き、Enter又は右クリックをされた時にようやくハイライト表示がされます。

私の個人的な意見としては、ハイライト表示を省略して速度が上がった以上に、やりにくさで時間がかかっているのではないかと思ってしまいます。

単純に慣れの問題と言ってしまえばそれまでですが…

ハイライト表示されてもまだオブジェクト選択は完了していません。

相変わらず「オブジェクトを選択:」と表示されているはずですから、もう一度Enter又は右クリックをするか、別のオプションでさらにオブジェクト選択をしてもOKです。

このオブジェクト選択は「オブジェクトを選択:」表示がされている状態でEnter又は右クリックをするまで続きます。