■スタートは同じでも

オートキャド(AutoCAD)のスキル、特にスピードという部分のスキルをアップしていきましょう、ということを前回お話ししました。

今はまだ基本的な話にとどまっていますが、そのうち具体的にはどうするかという話に進んでいくつもりです。
でもその前に、一番重要な基礎になる、あなたの考え方についてお話をしようと思います。

どんな仕事でも同じだと思いますが、最初は誰でも未経験、初心者です。そして、そこからたくさんのことを覚えて成長していくのだと思います。

私は結構長いことオートキャド(AutoCAD)を使っていますが、まだまだ覚えなければならないことはたくさんあります。

つまり何が言いたいのかというと、スタートは皆同じだということです。でも、1年くらい経験を積んだ段階で、各人のスキルにはかなりのばらつきが確実に出てきます。

1年もやっていればもう完璧に近い人もいれば、逆にまだまだ覚えきれない人もいます。ただ、1年やって「まだまだ」と思われるような場合、先はあまり長くありませんが…。

この両者の間にはどんな違いがあるのでしょうか。能力でしょうか?それとも才能でしょうか?

そうじゃないんです。オートキャド(AutoCAD)は才能を要求するような難しいソフトではありません。才能がないと嘆く前にやるべきことはたくさんあるハズです。

では、あなたはなんだと思いますか?

■スキルアップに必要なもの

答えは「目標」です。
オートキャド(AutoCAD)を使って仕事をしていく中で、あなたがどのレベルを目指していくのか。その考え方の違いが、成長の速度を変えているのです。

どこかの自己啓発本みたいな話ですけど、これは本当のことなので否定のしようがありません。

1年で全てを覚えてしまおうと思っている人もいますし、そんなことなんて何にも考えないで毎日通ってくるだけの人もいます。

半年経った時点でその二人を比べてみると、1年で覚えようとしている人の方が圧倒的に高いスキルを持っているんです。もう一人もそれなりのスキルになっていますが、そこには雲泥の違いがあります。

毎日やっていることはそれほど変わらないとしても、時間を区切ってその間に覚えようと考えている人は時間の密度が違います。

そして、目標を達成する為にはどうすればいいのかということを、常に考えています。その積み重ねが1年後の差をつくり出す訳です。差がついて当然と言うべきでしょうね。

これは精神論めいた話なので、技術屋の私としてはあまりしたくない話なんです。「覚える為には気合を入れること!」とまでは言いませんが…。本当は技術屋として、もっと具体的な話をしたいんです。

でも、この考え方は本当のことですし、非常に大事なことでもありますので、あえてお話しすることにしました。

どうせ同じ時間を勉強に費やすのであれば、成果がより多く出た方が良くないですか?その為にはまず、自分の考え方を見直す(大げさですが)必要があるんです。

この点をまずはつかんで欲しいと思います。

■早く覚える為には

手っ取り早く覚える為には、自分よりも知っている人に教わるのが近道です。でも不思議なことに、助言を素直に全て受け入れられる人はあまり多くありません。

「わかっているのだけど…」とか「それはもう知っています」という返事がつい出てしまうんですよね。「でも」とか「けど」をしょっちゅう口にする人は、なかなか成長しないものです。

それはどんな種類の仕事でも同じではないでしょうか。

ですから、まずは自分が半年後、1年後にどうなっていたいのかを具体的に思い描いてみて、そこにむかって一歩ずつ着実に進んでいくのです。

そうすれば、教わった内容に「でも」とかいう言葉は出て来ないハズです。覚える為には中途半端なプライドなんて全然必要ありませんからね。

私の場合は、とにかく早く覚えて独立したいと考えていました。そして、そのために色々と工夫をした結果、半年位で社内の人には負けない知識と早さを身につけました。

漠然と仕事をしている人とは初めから見据えている所が違うのです。これでは勝負にならなくて当然です。そして、あなたにもぜひ、そういった体験をして頂きたいと思っています。