今回は紙のお話をします。机のサイズについてお話しした際に少しだけ触れましたが、もう少し詳しくお話ししようと思います。

オートキャド(AutoCAD)を使って図面と関わっていくからには、紙についてもある程度は知っておく必要があります。とは言っても、ただサイズと種類だけを知っておけば十分ですけど。

で、まずはサイズについて。


■紙の系統

まず、一般的な紙のサイズは大きく分けて2系統に分けられます。A列とB列ですね。これは少し耳慣れない言葉かも知れませんね。

A列!とか言うと何だか大げさですが、プリンターを持っている方はA4とかB5などの紙に接する機会も多いのではないでしょうか。

A列というのはA4など頭にAが付く系統で、B列がB5などの系列です。そのまんまなので分かりやすいと思います。

■サイズの区分

次に大きさの区分ですが、これは列を表すAとかBとかの後ろに付く数字で表します。数字が小さい方が大きい紙ということになります。

最大サイズはA列がA0、B列がB0です。これ以上小さな数字はありませんからね。

■サイズの考え方

数字が小さい方が大きい紙である、という話は分かりますが、実際の大きさはどのように決められているのでしょうか。

これは、やはり一番大きいA0・B0の紙サイズが全ての基準になってきます。

A0・B0の紙サイズはそれぞれ以下のようになっています。
A0:1188mm×841mm
B0:1456mm×1030mm

考え方はどちらも一緒なので、ここではA列を例にとってお話をしていきたいと思います。

最大のサイズであるA0ですが、その次に大きいサイズであるA1は、A0に対してどのくらいの大きさなのでしょうか。

A1の紙サイズは841mm×594mmです。841mmが同じで594mmはA0の横長さ1188mmの半分、ということは…。

数字だけだとチョットわかりにくいですが、要するにA0の紙を半分に切ったサイズがA1ということですね。

この考え方はずっと変わりません。A1をさらに半分に切るとA2になり、さらに半分に切るとA3になり…という具合にA12まで続きます。

ずっと続けても小さくなりすぎますから、図面としてはあまり実用的ではありません。名札とかそういったサイズにまで小さくなってしまいます。

■実際の大きさ

考え方が理解できれば計算できますから、あえてここで一覧を書く必要もないとは思いましたが、確認の意味もありますので一応書いておきます。

まずはA列から。
A0:1188mm×841mm
A1:841mm×594mm
A2:594mm×420mm
A3:420mm×297mm
A4:297mm×210mm
A5:210mm×148mm
A6:148mm×105mm

…これ以降は省略しますね。あまり一般的には使用しないサイズですし。次にB列ですね。
B0:1456mm×1030mm
B1:1030mm×728mm
B2:728mm×515mm
B3:515mm×364mm
B4:364mm×257mm
B5:257mm×182mm
B6:182mm×128mm

…こちらも以降は省略です。

・2系統ある理由
どうしてわざわざA列とB列が存在するのか、疑問に感じた方もいるかも知れません。…が、まあ理由は何というか、ありがちな話です。

A列が国際規格でB列が日本国内の規格、という区分です。うーん、とってもわかりやすい。

■主にどちらを使うのか

学生などが使用するノートやルーズリーフなどがB5サイズが圧倒的に多いですが、いざ仕事を始めてみると、書類などはほとんどがA4とA3になっていることに気付くと思います。

国際基準であるA列の使用が推奨されているんですね。ですから、仕事の場で主に使うのはA列が多くなってくるはずです。

さて。では図面ですが、図面も基本的にはA列を使用することになります。基本はA1でA2・A3あたりまでをよく使います。特にA3に関しては、縮尺的にA1の半分になるのでよく利用されます。

と、紙のサイズに関してはこんなところでしょう。細かな数字はなかなか覚えられないかも知れませんが、あまり厳密に覚えなくても大丈夫です。

人間は必要に迫られないとなかなかこういう数字を覚えられないものです。私も最初は全然ダメで、いつもディスプレイの横にA1~A4までの紙サイズを貼っておきました。

それでも結局は覚えられませんでしたが、常に見えるところに貼ってあるので、別に困ったこともありませんでした。

無駄に暗記をするくらいなら、もっと他の部分で頭を使った方が効率が良い場合もある、ということでしょう。