では、早速前回の予告通り、オートキャド(AutoCAD)にはオブジェクトスナップ点としてどんな種類があるかについてお話ししたいと思います。

オブジェクトに対してスナップする点は、全部で11種類あります。これだけあると、中にはたいして使用しないようなモノも出てきます。

とはいえ、全く使わない点というのはありませんから、結局は一通り覚えた方がいいということになります。
という訳で、まずは全部をザッと書き出してみますね。

■オブジェクトスナップの種類

・端点
線で言えば両端の点です。四角形などの図形で言えば頂点ということになりますが、よく考えるとどちらも同じ意味です。当然ですが円には端点が存在しません。
使用頻度はかなり高いです。

・中点
線で言えば長さを丁度2分する点、つまり中間点です。四角形などの場合は辺の中点を指します。どちらも同じ考え方ですね。端点と同じく、円には存在しませんが、円弧には中点があります。
使用頻度はやや高めです。

・交点
線と線、あるいは線と円など、2つのオブジェクトが交差する点です。とにかくオブジェクトが交差していれば、そこが必ず交点になるということです。
使用頻度は高いです。

・仮想交点
考え方は交点と同じです。
ただ、交点は実際にオブジェクト同士が交わっていないと選択出来ないのに対し、仮想交点はオブジェクト同士が交わっていなくても選択出来ます。これが唯一の違いです。
その代わり、どの線と線が交わるのかを指定するのに、2つのオブジェクトを選ぶ必要があるので、多少手間が多いです。なので、通常は交点を使う事をオススメします。
使用頻度はそれほど高くありませんが、ないと困る場合も出てきます。

・中心
円または円弧の中心点です。当然ですが、線や四角形には存在しない点ですね。
使用頻度は普通です。

・四半円点
これも円と円弧に関する点です。円又は円弧上で、中心から水平、垂直に線を引いた際に出来る交点を四半円点と呼びます。0度・90度・180度・270度の点です。
なので、円には4ヶ所の四半円点が出来ることになります。
こんな点使うの?と思った方もいると思います。ですが、これが結構使うんですよね。端点や交点ほどではありませんけど。

・接線
直前に選択した点から、指定した円に向かって接線が引ける点を選択してくれます。円を2つ選び、両方の円の接線を引くことも出来ます。この場合、自転車のチェーンのような形になりますね。
結構便利そうなのですが、残念ながら実際はあまり使う機会がありません。

・垂線
直前に選択した点から、指定したオブジェクトに対して垂直に引いた線との交点です。相手は線でも円でも大丈夫です。
使用頻度は普通ですが、かなり重宝します。

・点
点を選択してくれます。というか、点しか選択してくれません。なので、円にも線にも全く関係ありません。
使用頻度はかなり低めですが、メジャーやディバイダコマンド(名前に反してマイナーなコマンドなので、もっと後で説明します)を使った際に利用することになります。

・挿入基点
文字とブロックには基準点というモノが存在しますが、挿入基点はその基準点を選択してくれます。文字を基準にコピーをする場合などで使用します。
使用頻度は低めです。

・近接点
線でも四角でも円でも、オブジェクト上にある点全てに適用されます。とにかくオブジェクトの上にある点全てです。って、同じことを言ってますね。
使用頻度は結構高く、重宝もするのですが、オブジェクト上の点ならどこでも良いという性質から、正確な作図にはあまり向かないスナップでもあります。
個人的な意見を言わせてもらうと、私は好きじゃありません。

・その他
まだ他に「解除」とか「トラッキング」とかが残っていますが、オブジェクトに対してスナップする点という意味では、以上の11種類だけということになります。

なので、ここではこれ以上の説明はしないでおきます。今後必要に応じて、追々説明していくことにします。

オブジェクトスナップの種類についてはこんな所です。次回はその具体的な使い方についてお話ししようと思います。