オートキャド(AutoCAD)で作図した図面を、電子データ(dwg)として保存する。

オートキャド(AutoCAD)を利用した場合、図面を後々まで保存しておきたければ、やはり「データとして保存」がもっとも一般的な方法だと思います。

他には、紙に印刷しておいて、その図面もあわせて保管しておくという方法もあります。でも、せっかく作成した図面のデータを捨ててしまう、ということは恐らくしないでしょう。

つまり、データの保存という行為は、オートキャド(AutoCAD)を操作するにあたって、必ず覚えておくべきポイントだということです。

そこで今回は、データで図面を保存する事のメリットとデメリットについてお話ししようと思います。

ただ、データに関しては「デメリットがあるので使うのをやめましょう」って言う次元の話ではありません。CADを使う以上、データを活用することは絶対条件ですから。

それを前提としてデータ活用のメリットを知り、さらにはデメリットを知った上で、デメリットをうまくカバーしていく。今回はそんなつもりで読んで頂きたいと思っています。

では、まずメリットについて。

■1.コンパクトにまとめる事が出来る

図面をデータで保存した場合、紙で保存した場合よりもかなりの省スペースが実現できます。

オートキャド(AutoCAD)データを保存するメディア(媒体)は今のところCDがメインですが、大抵の場合は全部で1枚に全て収まってしまいます。

コンパクトすぎて無くしてしまったこともあります。(汗)

一方、紙で保存した場合はかなり大変です。普段はあまり実感するチャンス(?)などありませんが、紙って実際はかなり重たいんです。

当然ですが、重さは図面の枚数が増えるに従って増えていきますから、持ち運びの手間が雪だるま式に増えていきます。

あまりにも重たいと、もう持ち運びなど考えられなくなります。でもデータならばそんな心配は必要ありません。実際に比較してみると、これはかなりのメリットであることに気付くハズです。

■2.何度コピーしても同じ品質である

紙の場合、コピーした図面をさらにコピーしたりすると、文字などが読みにくくなってしまいます。

仕事をしていると良くあります。コピーのコピーのコピーみたいな資料をさらにFAXで送ってきて「参考にしてください」とか言われます。(汗)

いや、全然読めませんから…。

でもデータで保存した場合、その特性上、何度コピーをしても品質が変わることはありません。いつまでもきれいな資料として保存ができるという訳です。

読めないようでは資料として失格ですから、ずっと見やすいまま保存できるというのは、それだけで強力なメリットなんですね。

ただ、そういったデータ保存に慣れすぎると、「オマエは何でもきれいに保存したがる」という否定的な意見にぶつかるかも知れません。私はたまに言われます。

■3.変更が比較的容易である

データを利用すると、何か手を加えたい場合に便利です。紙の場合は手描きで修正するしかありませんが、あまり現実的な方法ではありません。

データを別の名前でコピーして、そこから新たな図面として修正していくという手段が一番楽でスマートですね。

■4.保存品質が良い

項目2と若干ダブりますが、長期間保存した場合でも常に同じ品質の図面を見ることが可能です。紙の場合は時間が経つにつれて段々品質が劣化していきます。

私は昔、ガスの配管図をデータ化する仕事をしたことがありましたが、作図の為の資料が紙で、最悪な品質だったことを今でも記憶しています。

以前紙の種類についてお話しした時に出てきた、感光紙を使った青焼き。これが保存レベルとしては最低のランクです。

時間が経つと、どんどん線が薄くなっていくんです。元々が感光紙ですから、結局最終的には全て感光してしまうんですね。薬品の力も永遠ではありませんから。

まあそういう状態にならないようにする為に、CADデータ化する仕事がある訳ですが…

■5.インデックス的な管理が楽

これはデータ管理の真骨頂です。

ファイル名の管理さえしっかりとやっておけば、見たい図面を探すのにそれほど時間はかかりません。ポイントはデータの保存場所とファイル名だけです。

でも紙の場合、使いたい図面を見つけるまでにかなりの労力を使います。枚数が多ければ多い程、その労力もどんどん増加していきます。

さっきも言いましたが、紙は重くてかさばります。その中から目的の図面1枚に辿り着くには、大げさかも知れませんが、まずは肉体労働が必要になるかも知れません。

データに関するメリットはこんな所でしょう。メリットなので当然ですが、良いことばかりです。

でも現実は良いところばかりじゃありません。当然の事ながら、デメリットも存在する訳です。

ちょっと長くなってしまいましたので、デメリットについては次回にお話しすることにします。