オートキャド(AutoCAD)のデータを保存することによるメリット・デメリットを知り、さらにデータ管理の方法を身につけたなら、後はバックアップについて知っておくべきでしょう。

これはオートキャド(AutoCAD)だけに限った話ではありません。例えば今現在あなたのパソコンに入っている、デジカメの写真データなどは定期的にバックアップをしていますか?

私も含めてですが(汗)それほどバックアップに関しては気を遣っていないのではないでしょうか。

パソコンの中に入れておけば、とりあえずは安心という感覚がどうしてもしてしまいますからね。

特にデジカメのデータに関しては、いつでも印刷できるという気持ちがありますから、全て写真として印刷しておく事はあまりしないと思います。

そんな状態で、万が一パソコンのハードディスクが壊れてしまった場合…最悪の事態が発生します。写真のデータが全て、完全になくなってしまうんですね。

コンピュータには感情なんてありませんから、あなたにとってそれがどんなに大切な写真でも、無慈悲に「ファイルが壊れています」とか「アクセスできません」とか言います。

私がお話しするのはオートキャド(AutoCAD)のデータですが、デジカメの写真データでも同じ事です。

そういった悲しい状況にならない為にも、データにはバックアップが必要だという事をここで覚えておきましょう。

■手動バックアップの方法

具体的にはどうすればいいのかというと、手動でやるか自動でやるかという2種類の考え方があります。…と言っても、やることに大した違いはありませんが。

2種類の考え方、というのは少し大げさな表現かも知れません。要するに自分でやるのか、またはコンピュータにやらせるのか。この違いしかありませんから。

初めのうちは手動で全然OKです。半月に一度とか週に一度とかを自分で決めて、今まで作図したデータをCD-Rなどにコピーするだけです。簡単ですね。

何度も上書き可能という点で、CD-RWの方が若干使い勝手が良く、コストパフォーマンスも良いでしょう。CD-RWがない場合はCD-RでもOKです。

CDにコピーするのが面倒だと思うなら、外付ハードディスクでも代用が出来ます。というか、こちらの方が便利です。ただ、持っている人はそれほど多くないと思うので、CD-Rを優先して書きました。

CDにしても外付ハードディスクにしても、考え方は同じです。今使用しているパソコンのハードディスク以外の場所にも、オートキャド(AutoCAD)の図面データを保存しておきましょうと言うことです。

万が一パソコンが壊れた場合でも、データだけは別のパソコンで開くことが出来る。これがバックアップの目的である訳ですから。

■自動バックアップの方法

次に、自動でバックアップを取る場合ですね。

自動バックアップを考えるということは、作図する図面の枚数がかなり増えて来ているということでしょう。データの容量も大きくなって、CD-Rでは入り切らなくなっているかも知れませんね。

こんな状況になったら、もう迷わず外付ハードディスクを導入しましょう。その方が効率がいいですし、コピーする時間も短くてすみます。楽ですし。

自動バックアップをする為には、外付ハードディスクがどうしても必要になってきます。だって、CD-Rは勝手にセットしてくれませんから(当然ですが…)

最近ハードディスクは大容量かつ低価格になってきています。ひとつ買っておいても損はありません。

でも、コンパクトで持ち運び可能なタイプの方がスマートで良いですね。カッコイイしね…。(←なんでも形から入るタイプ)

あと必要なのは自動バックアップのソフトです。これはフリーソフトで全然構いません。有料ソフトを買う余裕があるなら、少しでも容量が大きいハードディスクを買った方がいいです。

ベクターの中から「バックアップ」などで検索をかければ、たくさんのフリーソフトが見つかります。その中から、あなたの好み(とOS)にあったソフトを選んであげればOKです。

ここまで揃えば、あとは簡単ですね。バックアップ元(今のパソコン内のフォルダ)とバックアップ先(外付ハードディスク内)を指定して、バックアップのスケジュールを決めるだけです。

スケジュールとは、自動バックアップの操作をいつやるのか、ということです。これはあなたの仕事の流れに沿って決めてあげましょう。

毎週何曜日のお昼(あなたが食事中)にバックアップを取るとか、夜の10時(あなたが仕事を終えて)からバックアップを取るとか、そのあたりは色々とあると思います。

バックアップが終わったら自動で電源を切ってくれる気の利いたソフトもありますから、仕事が終わったらそのままにして帰るだけです。あとはバックアップを自動でして、自動で電源OFFです。

ハイテク(?)です。

ただし、作業中のバックアップは避けた方が良いでしょう。基本的にバックアップはファイルのコピーです。コピー中に作業すると遅いですし、エラーになる可能性もあります。

それ以前に、自動でバックアップなんです。あなたがいない間にパソコンが自動でやる、というのが利点なんですから、うまく使ってあげましょう。

バックアップに関してはこんな感じですね。さらっと書いていますが、非常に重要な項目です。

ただ、「非常に重要です」と私がお話ししても、やはり実際にデータが消えてしまわないとバックアップの重要性は分からないかも知れません。

という訳で、次回は私の体験を少しお話ししたいと思います。情けない上に恥ずかしい話ですが、それで少しでもバックアップの重要性が伝えられればと思い、失敗談をお話ししようと思います。