前回の続きという訳で、今回はデータ保存のデメリットについてお話しします。

■1.壊れた場合の修復が難しい

データの特性上、一度壊れると修復が非常に難しいです。

紙の場合は多少破れてもあまり問題にはなりませんが、データはちょっと破損するだけでもう開くことが出来なくなります。

デリケート過ぎるとは思いますが、それがデータの特徴です。壊れても大丈夫なように、ファイルは複数保存しておくのが良いでしょう。

コンパクトですから、CDが2枚になっても別に影響はありませんよね?これは予防手段とか言う問題じゃなくて、当たり前の対策方法です。

■2.バージョンなどの不確定要素がある

オートキャド(AutoCAD)で作図した図面を保存しておく訳ですが、いざ図面が必要になった時に、オートキャド(AutoCAD)が当時のバージョンにもう対応していない、という可能性があります。

極端な話をすると、その時にはもうオートキャド(AutoCAD)がないことも考えられる訳です。今はかなりのシェアがあったとしても、それは将来のシェアを保証するものではありませんから。

ユーザーは便利で安いアプリケーション、つまり一番ユーザーのことを考えているCADを結局は使うようになります。

なので、ユーザーがいつまでもオートキャド(AutoCAD)を選び続けるという保証はどこにもないんです。

そういう点では紙はシンプルです。紙にバージョンなんてありませんから、いつでも見ることが出来ます。ですから保存にはデータ+紙というパターンが一番確実だと言えるでしょう。

■3.メディアの互換が保証されない

これもバージョンと同じような話です。仮に今はCD-Rにデータを保存したとしても、CD-Rがいつまでもメインのメディアであるという保証なんてどこにもありません。

今の時点でも、メディアはCDから微妙にDVDへと移行しつつありますし。

これはもう既に発生している問題です。以前はデータの保存方法として、フロッピーディスクがメインで考えられていました。(と言ってもかなり昔ですが…)

でも今では、フロッピーディスクを見かけることなんて稀になっていると思います。パソコンを買っても、フロッピーディスクドライブ自体が付いてこないです。

つまり、当時のバックアップデータを今ではまともに開くことが出来ないんですね。これと同じ話が、そう遠くない未来にあったとしても私は全然驚きません。

この問題には、定期的に保存するメディアを見直すという解決方法しかありません。あくまでもデータを残したい場合は、やはりそういった努力が必要になってくる訳です。

■まとめ

データの保存に関してのメリット・デメリットは以上です。デメリットには予防策を講じておくことを覚えておいてくださいね。

今回はオートキャド(AutoCAD)のデータを長期的に保存する、ということを前提としてお話ししました。建物にしても機械にしても、保全の為に図面のデータは必ず必要ですからね。

でも、自宅で図面を作図して取引先に提出し、報酬を受け取るという在宅勤務をしている方にとっては「?」な内容かも知れません。

データを提出して報酬を受け取った後は、そのデータをどう利用しようが関係ないと言えばそれまでですからね。

でも、作図したデータが最終的にはどうなるのか、というのは知っておいても損はないと思います。自分の作図する図面は何の為に必要なのか…プロなら少しは知っておいたほうが良いでしょう。