前回お話ししたSHXフォントの設定で少し出てきた「もうひとつ必要な設定」というのは、ビッグフォントの設定です。

ビッグフォント…あまり聞かないフォントだと思いますが、オートキャド(AutoCAD)で作図をする際に、日本語を入力する為には絶対に必要なフォントなんです。

つまり、英語やその他外国語で図面を描いている方以外は、必ずビッグフォントについて知っておかなければならない、と言うことになります。

英語の文字であるアルファベットはAからZまで26文字しかありません。なのに日本語の文字はひらがな・カタカナ・漢字と本当にたくさんの文字があって、ちょっと不公平な気がします。

かと言って、英語が簡単な訳では全然ないのが本当に不思議です。

まあ日本人ですから漢字を覚えるのは仕方のないことですし、またそれに慣れてもいるはずです。なので、オートキャド(AutoCAD)にも漢字を使わせる為に、ここでビッグフォントの設定を一通り覚えてしまいましょう。


■ビッグフォントの設定方法

フォントの設定なので、細かな設定はやはり文字スタイル管理コマンドで行います。またか…という感じですが、ひとつのコマンドで全てが設定できる方が楽ですからよしとしましょう。

文字スタイル設定のダイアログボックスにある「フォント」という項目内に「ビッグフォントを使用」という欄がありますので、まずはそこをピックします。

ここで注意して頂きたいのは、フォント名でTrueTypeフォントを指定している場合はビッグフォントを使用することが出来ない、ということです。

TrueTypeフォントでは特に指定しなくても漢字の表示が可能です。なのでビッグフォントを使用できないと言うよりも、使用する必要がないと言った方が正解でしょう。

…さて。

「ビッグフォントを使用」をピックすると「フォント名」の項目が「SHXフォント」に、「フォントスタイル」の項目が「ビッグフォント」に変わります。

一度、ピックしたりピックを外したりしてみて、どこがどの様に変わるのかを確認してみるとよく分かります。
なぜ変わるのかというと、SHXフォントを使用して、なおかつ日本語を入力する為には、SHXフォントとビッグフォントの2つを指定しなければならないからです。

では、ビッグフォントにはどんなフォントを指定すれば良いのでしょうか。まずは初期設定を確認してみましょう。

「ビッグフォントを使用」をピックした時点では「bigfont.shx」が指定されています。どうやら「bigfont.shx」が初期設定のビッグフォントのようです。そのままのフォント名ですね。

特に問題がなければ、そのまま「bigfont.shx」を使用してもOKです。実は問題が出る場合もあるのですが、それについてはまた別の機会にお話ししますので、ここでは触れないでおきましょう。

これで設定が終わりましたので、ダイアログボックスの右上にある「適用」ボタンを押してから「閉じる」をクリックします。以上でビッグフォントの設定は完了です。

■まとめ

ビッグフォントを設定する為の操作を整理すると、以下のような手順になります。まとめてみると非常に簡単です。

①文字スタイル管理コマンドで設定画面を出す
②まずSHXフォントを設定
③次に「ビッグフォントを使用」をピック
④「ビッグフォント」の項目が「bigfont.shx」かを確認
⑤「適用」して「閉じる」で完了

文字スタイル管理とか、ビッグフォントとか、SHXフォントとか、色々な呼び方があって難しそうな感じもしますが、いざやってみると全然大したことはありません。

ただ単純に「ビッグフォント(要するに全角文字)を使いますよ」と言うことをオートキャド(AutoCAD)に知らせてあげるだけのことです。

そして、文字スタイル管理コマンドはその手段にすぎません。

どんな設定も基本的には同じような考え方です。結局は設定をする理由とその設定方法を覚えておくだけなんですよね。

よくオートキャド(AutoCAD)の設定はメンドクサイと言われますが、私から見れば全然そんなことはありません。

「どんな目的でそうした設定をするのか」「設定のバリエーションはどのくらいあるのか」などが分かっていれば、なんてことはありませんから。

メンドクサイと言っている人は、ただ単に設定の多さをみて、自分で難しく考えてしまっているだけなんです。

ひとつひとつ丁寧に見ていけば(数が多いだけにここが大変かも知れませんが…)何も難しいことはありませんから、身構えたりしないでひとつずつクリアしていきましょう。