今回は寸法線を構成する各要素について、オートキャド(AutoCAD)上での呼び方と役割についてお話ししたいと思います。

呼び方は別に何でも良いように思うのですが、解説する際には決めておかないと不便ですので、はじめのうちに決める事にします。

そして、どうせならオートキャド(AutoCAD)での正式な呼び方で良いかなと考えました。
そんな訳で、まずは呼び方から始めますね。

■寸法を構成するオブジェクト

寸法を構成するのは、以下に挙げる要素たちです。

・寸法値
・寸法線
・矢印
・寸法補助線

今までは出来るだけ画像なしで説明をしてきましたが、今回はさすがに難しいです。という訳で、以下の図を見て頂きたいと思います。
寸法線の要素

図で見ると一目瞭然ではありますが、これらの項目をひとつずつ説明していきますね。

●寸法値
寸法値です。長さ寸法の場合は単純に数値、角度や半径などの場合はその都度自動で単位などがついてきます。

この数値は基本的に、実際の数値が自動で入ります。CAD上の寸法がそのまま寸法値として入る、という部分が重要なポイントです。

この機能がある為、CADは正確な作図がスムーズに出来るのです。もちろん文字編集で書き換えることは可能ですが、正確な図面という点からすると、あまりお勧めできません。

文字サイズはやはり2.5mm~3mmが適切なサイズです。これは通常の文字と同じような考え方ですね。

●寸法線
寸法値の下に引く線をオートキャド(AutoCAD)では寸法線と呼びます。
そんな呼び方をわざわざ使う機会はないかも知れませんが、とにかく寸法線です。

●・矢印
寸法線の両側にある記号です。上図でも、矢印と書いてはいますが「黒丸」になっています。
形状ではなくて、ここの記号を総称してオートキャド(AutoCAD)では「矢印」と呼びます。
この「矢印」には様々な形状が用意されていますが、一般的には図のような「黒丸」が使用されます。

●寸法補助線
寸法を測る対象物から寸法線までの間に記入する線を、寸法補助線と呼びます。
図面を作図する際には、寸法を測る対象から寸法線までの距離が離れてしまうということが結構あります。

そうすると、どこの寸法を記入しているのかが全然分からなくなるので、寸法補助線が必要になってくる、という訳です。

寸法を構成する要素は以上です。それほど数は多くはありませんから、とりあえず呼び方などは覚えておきましょう。

どの程度の大きさにすれば良いのかなどといった具体的な話は、今後少しずつしていこうと思いますので、今回はまず呼び方からということですね。

■作図者のセンスが…

少し話は変わりますが、寸法の記入という作業は作図者のセンスが最も出てしまう作業であると私は考えています。

見やすい図面と見づらい図面とは、寸法の記入方法で大きく変わってくるんですね。長年仕事をしてきてたくさんの図面を見てきましたが、本当に寸法の記入で変わってしまいます。

図面を構成する上で欠かせない要素であるということと、図面の見栄えに大きく関連してくるということ。
この2点を考えると、やはり寸法というのは非常に重要な要素なのだなと改めて思います。

寸法の設定は少々面倒かも知れませんが、この際ここでじっくりと覚えてしまう事をお勧めしたいです。重要な要素である分、覚えてしまえば価値があるということですから。

文字と寸法の考え方と設定をきちんと理解できていれば、オートキャド(AutoCAD)に関してはかなり精通していると言えるでしょう。

そうなれば後が楽です。寸法の設定以上に面倒な設定というのはなかなかありませんから、ここで頑張って覚えることの価値は非常に高いと思います。