今回は寸オートキャド(AutoCAD)の寸法設定の中から、法値の位置合わせについてお話をします。

寸法値の配置とあわせて、文字位置を決める重要な設定です。選択肢は3つしかありませんので、さらっと覚えてしまいましょう。

■寸法値の位置合わせ

図面に対して、寸法値をどのように配置するのかを設定します。「寸法値の配置」とはあまり違いがなさそうな設定ではありますが、少しだけ意味合いが違ってきます。

では、何が違うのか?

これは、実際に設定を見ていけば分かりますので、説明をどんどん進めていきましょう。この項目では、選択できる設定が3つしかありません。

●常に水平
この設定にチェックを入れると、寸法値の文字角度が全て0になります。要するに水平です。

図面を見る際には、水平に記入された文字が読みやすいのは言うまでもないでしょう。この設定にすると、作図した寸法が一番読みやすいと思います。

ただ、この設定には弱点があります。寸法値を全て水平にすると、たくさんの寸法を記入した場合などで、寸法値の配置が難しくなってきます。

これは実際にやってみて頂くとよく分かりますが、特に水特方向の寸法を並べて記入した際には、どうにもならない状態になってしまいます。

寸法線が垂直であるのに対して寸法値が水平なのですから、寸法を表示するのに必要なスペースはおおきく必要になってくるという訳です。

そこまでして文字を読みやすくする必要があるのか?と聞かれると、ちょっと答えに困ってしまいますね。

●寸法線の傾きに合わせる
この設定にチェックを入れておくと、寸法線の角度に平行な寸法値を記入してくれます。

つまり、垂直な寸法を記入すると寸法値も垂直に、45度の角度をつけた寸法では寸法値も45度に、といった具合です。私の知る限るでは、もっともオーソドックスな設定です。

文字の読みやすさという観点からすると、どうしても「常に水平」よりは劣ります。角度のついた文字よりも、水平な文字が読みやすいのは仕方がありません。

でも、それは全く文字が読めないということを意味する訳ではありません。その点は勘違いしないで頂きたいと思います。

図面の右側が文字列の下側、つまり角度90度の文字列は、読んでみてもそれほど違和感なく読むことができます。慣れの問題もあるとは思いますが。

逆に、メリットは寸法値の配置が楽であることです。寸法線に平行な寸法値ですから、最低限の間隔さえ確保すれば、並列に寸法を並べていってもOKです。

これは特に細かい図面を描く際に、非常に重要な要素のなってきます。従って、私としてはこの設定をお勧めしたいと思います。

●ISO標準
「ISO」とか言われるとよく分からなくなってしまいますが、別に難しく考える必要は全くありません。

簡単に言うと、上記した2つの設定をミックスしたような設定、ということになります。

この設定にしておくと、寸法線に平行な寸法値の配置である場合もありますし、水平に配置される場合もある訳です。2つの設定を上手に使い分けると、けっこう便利かも知れませんね。

もう少し具体的な話をしましょう。寸法線に平行な寸法値が記入されるのは、寸法値が寸法補助線の内側に配置されている場合です。つまり普通に配置する場合です。

一方、寸法値が水平になるのはそれ以外、寸法補助線よりも外側に寸法値を配置した場合ということになります。寸法値が収まりきらず、移動させた場合などに該当します。

この設定はけっこう便利に使えそうな気がしますが、少なくとも私は利用していません。寸法値の位置によって角度が自動的に切り替わるというのは、どうもしっくりしないんです。

とは言え、これはあくまでも私個人の感想です。機能としては充分有効利用できるレベルだと思いますので、一度は試して見ることをお勧めしたい設定です。

■設定の完了

「寸法値の位置合わせ」設定は以上で完了です。

3項目しかありませんから、内容としては非常に寂しいモノがあります。それでも覚えておく必要のある設定ですので、しっかりと覚えてしまいましょう。

この設定にしたらこうなるけれど、この部分が使いにくいからやめておく、といった設定のやりかたを覚えていけば、後々まで応用がききます。

せっかくオートキャド(AutoCAD)を覚えるのですから、そこまでセットで覚えてしまうことをお勧めしたいと思います。