今回はオートキャド(AutoCAD)の寸法表現を大きく左右する「矢印」の設定についてお話をしようかと思います。

くどいようですが、これも寸法の見映えを大きく左右する設定です。若干個人の好みが入る設定ではありますが、ここではオーソドックスな設定で話を進めます。

オーソドックスと言いつつも微妙に偏っているかも知れませんが、今までたくさんの図面を見てきた中での感覚なので、それほどおかしなことにはならないと思います。

■矢印

この項目ではオートキャド(AutoCAD)の寸法線の中で、矢印に関する設定が出来ます。

設定できる項目は非常にシンプルです。まずは矢印はどの様な形状にするのかという設定、そして次に、その矢印をどのくらいの大きさにするのかという設定。

以上の2点です。
とは言っても矢印の種類には色々とありますので、一応知識として一式覚えておいた方が良いでしょう。

その中で使用する矢印の種類は決して多くはありませんが、特殊な状況の中で使用することがあるかも知れません。「こんな形もあるのか」程度で構いませんので、サラリと見ておくことをお勧めします。

●1番目
寸法線は基本的に2点間の距離を説明するものですから、「ここからここまで」と言った具合に、矢印は2ヶ所存在することになります。

ここではその一点目の矢印をどういった形にするかを設定します。初期設定では「塗り潰し矢印」に設定されていますが、▼ボタンをクリックすると、様々な形状があることに気付きます。

中にはほとんど使わないような形状もあるので、ここではその形状を一つずつ説明していくことはしませんが、とりあえず一通り眺めておきましょう。

「なし」や「ユーザー定義矢印」を含めると、全部で21種類の矢印があります。矢印と言いながらも、形が矢印ではないものも多いですが、オートキャド(AutoCAD)では総称して「矢印」と呼んでいます。

その中でよく使う矢印をいくつか紹介します。

・黒丸
黒い丸です。寸法線の矢印(形状は矢印ではありませんが)で最も使用されているのが黒丸だと思います。とりあえずどれにしようか迷った時は、黒丸にしておけば間違いありません。

・開矢印
普通の矢印です。黒丸を使用しない場合は、ほとんどこの矢印を使用することになると思います。それくらい一般的な形状です。

普通の図面を作図するにあたっては、黒丸か開矢印に設定しておけば全く問題ないはずです。全部の種類を使いこなすことなど考えず、まずオーソドックスなパターンを覚えておきましょう。

●2番目
1番目の矢印を設定すると、自動的にこの項目も設定が変わります。寸法線は普通同じ形状の矢印を使用しますから、親切に自動切り替えをしてくれるのは助かります。
あえて1番目とは違う形状の矢印を使用したい場合に限り、この項目で設定を変更してあげましょう。

●引出線
引出線記入コマンド「QLEADER」を使用した際に作図される引出線の先端形状をここでは設定します。
基本的には寸法線の矢印と同じ形状にしておくのが無難です。

…が、引き出す対象が広い場合には黒丸で、限定された部分の説明であれば開矢印(あるいは塗り潰し矢印)を使うといった使い分けも必要になってきます。

ただしそれは個別で設定しますので、ここでは寸法線の矢印と同じ形状にしておくことをお勧めします。

●矢印のサイズ
ここでは、使用する矢印をどの程度の大きさで作図するのか、これを設定します。

これは色々と試してみないと感覚が掴みにくいかも知れませんが、黒丸なら1、矢印なら2~2.5程度がお勧めです。

ただし、実際に印刷して自分の目で確認することだけは忘れないでやっておきましょう。こうした感覚を養っておくことも、図面を作図する上では大切です。

オートキャド(AutoCAD)で寸法の矢印を設定する方法は以上で完了です。

次回は「円の中心マーク」についてお話をしていこうと思いましたが、あまりお話しすることもないので、少々脱線して、矢印設定にまつわる私の経験をお話ししようかと思います。