今回からは、具体的な寸法の設定について話を進めていきたいと思います。

寸法を設定するダイアログBOXには全部で6つのタブがあり、それぞれの項目を切り替えながら設定をしていくことになります。

タブを切り替えて設定項目を見ていくと、その項目の多さに驚くというか困るというか、こんなに設定がなくても良いのではないかと思ってしまいます。

■設定が多いからこそ

オートキャド(AutoCAD)の寸法設定がいくらたくさんあったとしても、慣れてしまえばなんてことはありません。

そして慣れてくると、設定はなるべく多い方が自由度が高いことに気付くはずです。設定項目がないということは、自分の自由に出来ないということなんですね。

そのうち熟練してきて、設定の多さを逆にありがたいと思う時が来るでしょう。それまでは少しだけ我慢して、一つずつ設定項目を覚えていくことが大切です。

ここでは端から順番に設定項目を説明していきます。まずは一番左側のタブ「寸法線と矢印」の設定です。

このタブでは、寸法線・寸法補助線・矢印の形や色を設定することが出来ます。これは寸法の見映えを左右する大切なポイントですから、しっかりと覚えておきましょう。

「寸法線と矢印」タブは5つのグループに分かれています。「寸法線」「寸法補助線」「矢印」「円の中心マーク」そしてプレビューという区分です。

ここではグループ1つずつに分けて説明をしていきます。まずは「寸法線」項目からいきましょう。

■寸法線

この項目では、寸法線の見映えについて設定が出来ます。上から順番にその項目を見てみましょうか。

●色
寸法線の色を設定します。図面を綺麗に見せる為には、寸法線を出来るだけ細い線で印刷する方が良いです。

また、図面の種類にもよりますが、寸法線は非常に多用する要素になると思います。ですから、あまり画面上で目立ちすぎる色を選ぶのは避けた方が良いでしょう。

従って、このサイトでは寸法線を赤に設定する事をお勧めします。細い線で印刷をして、なおかつ画面上にたくさんあっても目立ちにくい色という選択基準によって赤という結論に至りました。

もちろん別の色でも構いませんが、色を選ぶ基準は良く覚えておいて頂きたいと思います。

●線の太さ
この項目では寸法線の太さを設定します。…が、線の太さは色によって管理する方が絶対に楽ですから、この項目は特に気にしなくても良いでしょう。

●寸法線延長長さ
通常は寸法補助線の間に寸法線が作図されますが、矢印の種類によってはもう少し伸ばした方が分かりやすいこともあります。

ここでは、寸法補助線に対してどのくらい寸法線を伸ばすのかを設定することができます。ただ、黒丸や矢印などの一般的な形状の矢印を使用している限り、あまりお世話になる設定ではありません。

●並列寸法の寸法線間隔
寸法記入のコマンドには並列寸法記入というコマンドがあります。これは自動的に寸法を並列に記入してくれるという便利な機能ですが、自動的に配置する間隔をここでは設定することが出来ます。

あまり並列寸法記入というコマンドは使用しませんが、4mm程度が最も見映えの良い間隔だということは覚えておきましょう。

●省略
この項目にチェックを入れておくと、寸法線が省略されます。要するに表示がされない、ということです。

表示をしないと、今まで設定した(といってもそれほど多くはありませんが)内容が全く生かされない事になります。また、寸法線がないと寸法値が分かりにくくなります。

上記の理由から、省略はあまりしない方が良いでしょう。

■設定は難しいか

寸法線の設定は以上で完了です。ひとつひとつ見ていくと、それほど大層なことをしていない事がよく分かります。

ただ、それぞれの項目がどういった役目を持っているのかを、丁寧に覚えていくだけです。まあそれが単調なので難しい訳ですが。しばらくはこんな話が続くことになりそうですね。

次回は寸法補助線の設定についてお話をしたいと思います。