前回はオートキャド(AutoCAD)で数値入力を便利に使う為のお話しをしましたが、今回はその続きです。

■シンプルな距離指定

今回お話ししたい数値入力機能は、水平あるいは垂直の場合に限った距離の指定です。

これは相対座標入力で最も使うパターンですから、より簡単な方法を利用するというのは、作用の効率化という点で非常に有効な手段でしょう。

具体的な方法は以下の通りです。今回は例として、90度の方向に3000の線を引いてみます。

①コマンドの開始と始点の指定
線分(LINE)コマンドを開始して、線の始点として任意の点を指定します。

②直交モードの設定
今回は水平・垂直に限定した機能ですから、直交モードはONにしておきます。

③方向の指定
今回は90度の方向に線を引きますから、①で指定した始点に対して画面上で上側にカーソルを持っていきます。

直交モードがONになっていますから、当然角度は90度に固定されるはずです。仮に引かれる線が90度になっていればOKです。

④数値の入力
始点から具体的にいくつ離れるのかを数値入力します。今回の場合は3000ですから、キーボードから半角で3000と入力して右クリック又はEnterを押します。

⑤完了
線分コマンドですから、1本の線を引いた後もまだ線を引く状態になっていますが、ひとまず目的は達成です。引いた線の長さを測ると3000になっているはずです。

■機能の概要

上記で解説した機能は「マウスが指定する方向に、数値入力した寸法だけ離れた点を選択する」というものです。

ただ、マウスの位置そのままでは正確ではない為、直交モードで正確な方向を決めてあげています。

逆に言うと、この機能は直交モードを有効にしていないと使い道がない、ということですね。、カーソルの位置はそこまで正確には操作できませんから。

■シンプルであること

「数値入力機能」と呼んでしまうとなにやら難しく聞こえてしまいますが、実際はとても簡単な操作です。作業としては、キーボード又はテンキーから直接数字を入力するだけです。

簡単で、しかもよく使う機能というのは、知っているのと知らないのとで大きな差が出ます。その操作が簡単であればある程、発生する「差」はより大きいでしょう。

今はこのようなことを書いている私も、オートキャド(AutoCAD)を覚えてからかなり長い間、この数値入力機能については知らない部分が多かったんです。

そして「そんな機能があるんだ…」と気付いた時に、操作のやり方が大きく変わり、操作が少し楽になりました。

作図者が楽になるということは、作業効率が上がったということです。つまり、作図スピードが速くなった、ということですね。

ちょっと大げさな感じがするかも知れませんが、決してそんなことはありません。もしあなたがこの操作方法を知らないのなら、ぜひとも覚えた方が良いです。

それだけの価値がある機能ですから、あなたの操作手順に含まれているかどうか、ぜひとも一度確認をしてみて頂きたいと思います。