今回はキーボードによる数値入力の方法について考えてみたいと思います。

オートキャド(AutoCAD)では正確な数値を入力して作図をすることが多いので、そういった数値入力の方法は色々と用意されています。そして、それらは実際の作図で使える方法ばかりです。

なので一通り読んでみて、もし知らなかった方法があったのなら、ぜひ一度使ってみることをオススメします。


■通常の数値入力

まずはじめに、一番基本的な数値入力の方法をお話ししておきましょう。
基本的にオートキャド(AutoCAD)の画面は全て座標で管理されています。

X軸、Y軸、Z軸の3方向について、線の開始点などの点には全て原点(0,0,0)を基準とした、座標の数値が割り当てられているんですね。

ただ、今回お話しするのはあくまでも2次元の作図についてなので、Z軸に関してはあまり考える必要はありません。

オートキャド(AutoCAD)では、任意の点を(画面上をクリックすることによって)指定する場面では、全ての場合においてキーボードによる数値入力が出来るようになっています。

もう少し具体的な話をしましょう。

線を引くときなどで画面上の点を選ぶ際に、例えば 0,0 などの数字をキーボードから入力すると、実際の座標0,0の点を正確に選択してくれる、ということです。

例えば長方形を作図する為に「RECTANG」コマンドを実行したときなどは、今回のような座標入力を使用しています。

■相対数値入力

基本的な方法の次には、相対座標を使った数値の入力方法をお話しすることにします。

「相対座標」とか言うと何だか難しそうな感じがしますが、全然そんなことはありません。ただ単純に「前回の点から」と考えるだけで済みますから、そんなに身構えないで大丈夫ですよ。

「前回の点から」というくらいですから、1点目に対して2点目を指定する際によく使用する機能です。例えば線の2点目を選ぶときとか、基準点に対して移動先を選ぶときとか、そういう状況で使用する訳です。

使用方法は簡単です。
通常は 420,297 と入力するところを @420,297と入力するだけで、相対数値入力となります。

例えば線を引くときなどで、座標100,100を線分開始点とした場合、2点目の指定の際に @ を入れるか入れないかで以下のような違いが出てきます。

・通常の数値入力 420,297 の場合は、線分開始点がどこであれ、2点目の座標は絶対に420,297となる

・相対座標入力 @420,297 の場合は、線分開始点の座標から420,297移動した点が選択される。今回の場合は520,397の座標。

@の有無による違いはこれで分かるでしょうか。ちなみに数値入力は絶対に半角で入力するのがお約束です。また、当然ではありますが、マイナスの数値入力もOKです。

オートキャド(AutoCAD)を使う上で、この機能は結構使うことになると思いますので、ここで覚えてしまいましょう。

■角度を指定したい場合

2点目の指定をする際に、座標ではなくて角度を指定したい場合もあるかと思います。

そういった場合は数値の区切りをカンマ , ではなくて < にしてあげましょう。具体的には以下のような感じです。

@420,297 → 前回の点から数値分座標がずれた点
@420<30 → 前回の点から長さ420、角度30度の点

この違いを覚えておきましょう。角度の場合は < を使う、ということですね。操作的には非常に単純な話です。

ちょっと長くなりそうなので、今回はここまでにしましょう。次回は数値入力について、もう少しお話しを続けようかなと思っています。