今回は補助線の機能をオートキャド（ＡｕｔｏＣＡＤ）で使用することを考えてみたいと思います。
…その前に、補助線機能とは何なのかを簡単にお話ししておきますね。
補助線とは、いくら作図をしても印刷されない下書き線のことを指します。これは、オートキャド（ＡｕｔｏＣＡＤ）以外のＣＡＤで、けっこう標準装備されている機能だったりします。
私が以前使用していた設備系のＣＡＤでも、補助線機能はかなり充実していました。
２点を指定してその間を指定した数だけ分割した線を引くとか、その他色々な機能がありました。そして、不要になったら一括で簡単に消すことができます。
こう書くとあまり伝わらないかも知れませんが、非常に便利な機能だったことを記憶しています。
そのＣＡＤが一番最初に覚えたＣＡＤでしたから、補助線を使用した作図がごく当たり前になってしまい、オートキャド（ＡｕｔｏＣＡＤ）を初めて使用した際にはかなりとまどいました。
オートキャド（ＡｕｔｏＣＡＤ）には、正式な機能としては補助線という概念がありません。私がとまどったのはそのためなんです。
補助線機能を搭載したオートキャド（ＡｕｔｏＣＡＤ）のアプリケーションもあるのですが、有料ということもあり、なかなか使うことが出来ない事情もありました。
■他の機能で代用する
オートキャド（ＡｕｔｏＣＡＤ）には、正式な機能として補助線という考え方はありませんが、他の機能を使って似たような効果を得ることは可能です。
これには画層の「非印刷」という機能を利用します。具体的な手順は以下の通りです。
①画層の作成
画層名は「補助線」等で構いませんので、完全の一般の図形とは違った画層を作成します。
②画層の設定
作成した画層の設定を「非印刷」に設定します。設定の方法は、画層プロパティ管理画面内の「印刷」項目をクリックするだけです。
③設定の完了
設定が完了したら「ＯＫ」をクリックします。あとは今作成した画層を現在層にして、補助線の感覚で線を引いていきます。
「非印刷」に設定された画層は、どんなに作図をしても印刷されることがありません。そして一括で消したい場合は、その画層のみを表示させて消せばＯＫです。
少々回り道をしている感覚があるものの、これこそがまさしく補助線の考え方です。
この機能を使うと、実際の紙範囲と作図可能範囲を四角形で作成しておくことができます。
もちろん通常の画層でもそうした四角形を作図することはできますが、その線が印刷されるかされないかという点が大きな違いと言えるでしょう。
この方法だと有料のアプリケーションを使用することなく同じような機能を利用することができます。一度試してみてはいかがでしょうか。
