では前回の続きを…。

送られてきた図面には、建物の部屋名にたくさんの間違いがあった訳ですが、その中から一部を厳選してみます。

①診察室 → 診療室
②ICU → 1CU
③カンファレンス → ナンファレンス
④応接室 → 応援室

うーん…ちょっとひどすぎます。単純な間違いから作図者の勘違いまで、様々なパターンを用意してくれたみたいで、私としても勉強になりました。…が、そういう問題ではありません。

①診察室→診療室は典型的な勘違いです。まあ気持ちは分からないではありませんが。

②ICU→1CUについては、病院ということを考慮すれば分かることです。「ICU」という言葉を知っているか知らないかという作図者のレベルによって、こういった間違いの有無が分かれます。

③カンファレンスも同様です。「カンファレンス」という言葉を知っているか知らないかという世界です。もし知っていたのなら、恥ずかしくて「ナンファレンス」なんて書けません。

④でも一番ひどいのは「応援室」です。いくらなんでもそんな部屋はありませんから。といいながら、間違えたその部屋名から、どんな部屋なのかをついつい想像してしまうのですが…。

病院という建物は結構特殊な部屋がありますから、中には耳慣れない部屋もあったのでしょう。ですが、やはり仕事で図面を描く以上、聞いたことがない部屋は一応調べるべきだと私は思います。

一般的な常識として、やはり存在しない部屋名を記入してはいけません。合ってるとか合っていないとか言う以前に、少し想像力を働かせる必要があるのではないかと思います。

■原因と対策を考える

まずは単純な入力間違えと変換間違えについて。

単純な間違いというのは誰にでもありますから、多少文字を間違えていても、ある程度のところまでは「しょうがないね」ということになります。

もちろん間違えた本人がそんなことをいってはいけませんが、きちんとチェックをした後で、それでも間違えが出てしまうことに関しては、少なくとも私は責めることはしません。

ただし、チェックをしていないでボロボロと間違えが出る場合は別ですが。

どんなに正確さを心掛けていても、図面を作図していく中で間違いがないというのは絶対にあり得ません。図面の密度にもよりますが、少なくとも2・3ヶ所は間違いがあるはずです。

それを修正する為に図面のチェックをする訳です。なので、チェックをしないというのは間違いをそのままにしてしまうことと同じなんですね。

間違いをそのままにして図面を提出してしまうことは、図面を受け取る側から言わせて頂くと、二番目にやって欲しくないことです。

ちなみに一番やって欲しくないことは、約束の期日に間に合わない事です。これは仕事として問題外ですが、図面チェックをしないという事も同じようなレベルの話です。

作図した図面をチェックしたか、あるいはチェックをしていないかは、図面を見ればすぐに分かってしまいます。間違いの数が全然違いますから。

せっかく仕事をこなしたのに、そういう部分で信用を失っていくのは本当にもったいない話です。でも実際には良くある話なんですね。

こんな図面しか描けないならもう仕事はお願いできないな、と思ってしまう訳です。これは私に限らず、図面の作図を依頼する側からしてみれば当然の話です。

という訳で、仕事として図面を作図したのなら、必ず図面を印刷して内容をチェックすることが肝心です。どういう訳かそれをやらない人も多いですが、そんな仕事をしていたら、いずれ仕事がなくなってしまうハズです。

■知識を増やすこと

次に作図者の勘違いについてですが、これはもう経験を積んでいくしかありません。とにかくたくさんの図面を作図すること、そしてたくさんの図面を見ることです。

あとは、あなたが仕事をする業種の専門知識について、少しでも詳しく知っておくことです。

建築・設備・土木など、それぞれの分野ごとに専門用語があるはずですから、少なくともその言葉を聞いて「?」とならない程度の知識があると良いです。

もちろんいきなりそうなるのは無理ですから、まずは知らない言葉を聞いたらどんな意味なのかを調べるクセをつける事が大事です。

自分で調べれば調べる程、その分野に関するあなたの知識はたまっていくはずです。それを続けていく先に、プロフェッショナルという言葉があるのだと思います。

まあそこまでならなくても良いですが、作図を依頼する側からすると、やはり話がすぐに通じる相手に頼みたいと思うのは当然の事です。

なので、専門用語が分かって話が通じやすいというのは、オートキャド(AutoCAD)の作図者として強力なセールスポイントになります。

ちょっと文字の話からは逸れている感じがしますが、文字の情けない間違いをなくす為には、まずその分野の専門用語を多少は覚える必要があるということです。

そして、専門用語を覚えることによって、あなたのオートキャド(AutoCAD)の作図者としての価値をもっと高めることが出来る、ということになると思います。

そこまで深く考える必要はないのかも知れませんが、専門用語を調べるクセをつけることは、あなたにとってプラスになっていくことは間違いありません。

何だかまとまりませんが、今回私が一番伝えたかったのはこれなんです。うーん…もう少し上手く伝えられれば良いのですが。