以前、ビッグフォントの設定の中で、全角の文字と半角の文字について少し触れました。

オートキャド(AutoCAD)ではビッグフォントにしないと全角の文字は表示されない、という部分です。

ビッグフォントの設定を覚えたのであれば、文字入力はもう全角でも半角でも問題ないと思います。どちらにしても表示されるのですから、それで良いんですね。

ただ、少し注意をして頂きたいのは、数字とアルファベットの表現をどうするかです。

数字とアルファベットは半角で表示が可能な文字です。それに対して、全角というのは半角2文字分のスペースを使い、漢字や記号などを表現する為の文字です。

でも、全角の数字とアルファベットには、当然の事ながら全角の文字も用意されています。つまり、全角と半角の2種類どちらも使うことが出来るんですね。

全角と半角とで注意したい点というのは、このあたりにあります。

数字とアルファベットは全角でも半角でも表示が可能だからといって、両方を自由に使って良い、という訳ではありません。

■見栄えを考えると…

ここで私が言いたいのは、機能的な話ではなくて、図面の見映え的な話です。機能の話だけをすれば、先程もお話ししましたが、全角と半角を同時に使うことになんの支障もありませんから。

そうではなくて、同じ図面の中で全角と半角をあわせて使うと、数字の見え方が違うので見映えが悪い、ということです。

これはぜひ実際にやってみて頂きたいです。

という訳で。SHXフォントをSimplexとし、ビッグフォントにBigfontとして、実際に文字を記入してみましょう。

例えばそうですね…数字で1000と1000、アルファベットでBigfontとBigfontoを入力し、見比べてみると…いかがでしょうか。

あまり気にならないけど…と思う方もいるかも知れませんが、全角の方が半角よりも文字と文字の間隔が広くなっていると思います。これが全角と半角の違いです。

今は何もないスペースに記入しているので気になりませんが、図面を構成するのは文字だけではありません。

実際の図面には様々な線分が作図され、文字というのはその中の一部にすぎないんです。なので、文字だけでバーンと巾をとるのはあまりオススメできないです。

数字とアルファベットに関しては、全て半角で入力する方がスッキリとしますし、スペース的にも有利です。また、半角で入力してもきちんと読むことが出来ます。

という訳で、私は半角入力をオススメしたいと思います。どうせ同じ入力をするのなら、見やすい方が良いです。私は基本的にそういう考えでいます。

■細かい話だけど

ただ、この考え方は一般的には「細かすぎる」と思われているようです。今までの経験からしても間違いありません。なので、あまり強くオススメすることはしたくないです。

今まで私が見てきた図面の中には、全角と半角がゴチャゴチャに混ざった図面もたくさんありました。でも、それでその図面が役に立たないかと言えば、もちろんそんなことはありません。

図面は数字が読めて、そしてその数字が間違っていない限りはきちんと役目を果たすんです。まずはこの事実をしっかりと覚えておきましょう。

私がお話ししているのは、その先のプラスアルファです。細かい話かも知れませんが、同じ文字ならばやはり同じ形で統一されている方がスッキリします。

図面は見られてナンボですから、出来る限り見やすい図面を描くことが作図者の役目ではないかと思う訳です。

そして、こういった細かな気配りの積み重ねで、図面の完成度が天と地ほども変わってくる、という事も私は知っています。

やはりオートキャド(AutoCAD)を使って図面を描くからには、当然の事ながら間違いがなく、そしてさらには綺麗な図面を描いていきたいものです。